ペットを飼っていれば、いつかは必ず訪れるペットの死。
今、まだ若いから
元気なので、そんなことは考えたくない
そういう気持ちもわかります。
しかし、ペットは生き物です。
私たち人間と同じように、急に亡くなることもありますし、若いうちに病気になってしまい、若くして亡くなるケースも決して少なくありません。
また、犬の寿命は人間の1/4程度しかないと言われていて、小型犬の平均寿命は14.5歳です。
目の前にいる、大切な愛犬の死というのはペットを飼育している人の宿命であり、逃げられないことでもあります。
ペットが旅立つときの日のために、飼い主として何をすればいいのか、どんな準備をしておくべきなのか、今ペットの終活が重要であると考えている飼い主さんも増えてきています。
そこで今回は、ペットの旅立ちについて、どのようなことをすればいいのか、見送りの流れなども踏まえてお伝えしたいと思います。
ペットの終活って何をすればいいの?準備はいつから
では、具体的には「ペットの終活」とはどんなことをすればいいのでしょうか?
ひとつずつ見ていきましょう。
1)看取りの仕方を考えておく
まずは、愛犬を旅立たせるのに、家で看取るのか病院や施設にお任せするのかを考えておきましょう。
お家で、家族に見守られながら静かに旅立つというのは理想ではありますが、急に容体が急変して病院に連れて行ったらそのまま亡くなってしまったということもあります。
看取りの仕方は、希望通りにはいかないこともありますが、例えば医師から延命治療しかできない、入院中に急変があることがあるなど言われたときに、そのまま自宅に連れ帰って看取る覚悟をするかという点を含めて、家族で話し合っておくのも大切です。
2)葬儀する場所を検討しておく
ペットが亡くなったら、葬儀を行うこともできます。
ペットの葬儀を希望している方は、お近くに動物霊園があればそこでしていただくこともできますし、ペットの場合は、移動式の火葬サービスを行っているペット葬儀社もあります。
この場合は、費用はかかりますが、個別に焼却してくれるので亡くなった子の骨は返してもらえます。
人間と違い、お墓に骨を埋葬しなければならないなど決まりはありませんので、お骨をずっと自宅に飾っておられるご家族が多いです。もちろん、動物霊園ではペットのお墓もありますので、希望する場合は各霊園に相談してみてください。
お骨を返してもらわずに、合同墓地に埋葬してもらうという方法もあります。
また、各市町村でもペットの死に対してのサービスを行っていますが、この場合はほとんどが「ペットの死骸の処分」という概念になります。
例えば神戸市などは
犬・猫等の死体は、新聞紙等の紙で包み、ダンボール箱に入れ、ひもでくくってから、お住まいの区の環境局事業所にご連絡ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/
(なお、ダンボール箱の中にペットフード等の缶は入れないでください。)
死んだペットは、動物専用炉で合同火葬するため、火葬された骨は、お返しできません。
とされています。
なお、庭付きの一軒家にお住いの場合は、ペットの場合は庭にご遺体を埋めることも可能です。
この場合は、野生の動物等に荒らされないようにしたり、腐敗臭を防ぐために最低でも2m以上の深い穴を掘って埋めるなどしなければなりません。
ペットの葬儀については
- 動物霊園で行う
- ペット葬儀社に依頼する
- 役所に依頼する
- 自宅に埋葬する
というケースが挙げられます。
もしペットが亡くなったら、葬儀・埋葬についてどうすべきか考えておきましょう。
3)費用について調べておく
当然ですが、ペットが亡くなって葬儀を行う場合は費用がかかります。
役所に頼んだ場合も、無料ではしてもらえません。
神戸市の例で言うと、市が引き取りに行く場合は1頭4000円、持ち込んで火葬してもらう場合は(骨は返却できません)1頭につき2000円の費用がかかります。
動物霊園にお願いする場合やペット葬儀社に依頼する場合は、各業者で価格が違いますので、希望している場所ではいくらくらいかかるのか調べておくと良いでしょう。
ちなみに、筆者が以前行ってもらったケースでは、動物霊園で火葬、骨を連れ帰ったという費用で合計43000円ほどかかりました。
ペットが亡くなったらどうすればいい?見送りの流れとは
ある程度覚悟していても、いざペットが亡くなったら飼い主さんはパニックになります。
ですが、今まで全身全霊で飼い主さんを癒してくれた大切な子の旅立ちをさせてあげられるのは、ほかならぬ飼い主さんだけなのです。
ここでは、ペットが亡くなったら、どうすればいいのか、その流れを簡単にご説明します。
1.ご遺体を冷やす
病院や施設で亡くなった場合は、ご遺体を箱に入れて保冷剤やドライアイスなどで腐敗を防ぐ処理をしてくれます。ですが、ご自宅で看取った場合は、ご遺体が入るくらいの箱があればその中に、なければいつもペットが寝ていたベッドなどでも構いません。
生き物が亡くなって生命活動を停止すると、ご遺体から体液が出てしまう場合があります。
臭いが出ることもありますし、細菌感染を防ぐために、まずはペットシートを箱やベッドに敷いて、その上にそっとご遺体を乗せてあげましょう。
ご遺体の腐敗は、真冬でもすぐに始まりますので、保冷剤や氷をご遺体の周りに置いて、その上から布団や毛布、お気に入りのお洋服などがあればかぶせてあげるのは構いません。
もちろん、ご遺体の周りをお花で飾ったり、好きだったおやつなどをお供えしてあげる、お水をお供えするのも問題ありません。
2.葬儀社に連絡する
葬儀社や動物霊園に葬儀を依頼する場合は、速やかに連絡しましょう。
ほとんどが24時間対応してくれていますので、葬儀の日程や時間などを相談し、当日どうするのかを決めてもらいましょう。
わからないことがあれば、葬儀社の方に遠慮せずに何でも聞いて構いません。
3.各所に連絡する
ペットが亡くなったことを、お友達や知り合いに知らせるタイミングですが、葬儀の日程が決まってからの方が良いかもしれません。
最近では、ペットの死をSNSで通知する方もおられますが、お世話になった方や、小さなころから我が子のようにかわいがってくれていたお友達がいらっしゃるなら、感謝の意を込めてお知らせしてください。
もちろん、ひっそりと家族だけで見送るのも悪いことではありませんし、あまり気を遣わせたくないという方は無理に知らせなくても構いません。
4.連れ帰って供養する
葬儀が終了し、お骨が手元に戻ってきたら、是非好きだったものをお供えして供養してあげて下さい。
まとめ
今回は、ペットの終活について、準備はどのようにすればいいのか、亡くなった後の流れなどについてお伝えしました。
愛する家族の死のことを考えるのは、本当に辛いことではありますが大切なことです。
その時になって慌てないために、頭の片隅にでも構いませんので、知っておくことは重要なことです。